シングルトラベルレポート

21歳ドイツ一人旅ロマンチック街道を行く鉄道の旅-ドイツダッハウ強制収容所

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ダッハウ強制収容所

ダッハウ強制収容所は1933年3月22日ダッハウ近郊にあった軍需工場跡地にたてられたドイツ最初の強制収容所である。国家社会主義ドイツにとって望ましくない要素と見られた政治的反対者、ユダヤ人、聖職者等は国家の敵として隔離収容されねばならないとされた。ダッハウ強制収容所は、建設当時5000人収容を目的として作られたが、1937年には既に収容人数を大幅に越えたため、1938年に被収容者自身の手による増築拡張が行われた。
現存する収容所の記録資料によれば、1933年から1945年の間に20万6000人以上の被収容者数が記録されている。


ダッハウ駅はミュンヘンから列車で20分ほどで、強制収容所までは駅からバスに乗ってゆく。雪がしんしんと降り積もる中、しっかりと防寒して向かった。
ぐるりとフェンスに囲まれているダッハウ収容所は今では出入りが自由になっている。当時は「管理部」とされていた横長い建物が博物館となっていて入場料は無料だ。
入り口を入ると目の前に黒い掲示板があり、そこには中部ヨーロッパに存在した主要な強制収容所が表示されていた。入って左手の部屋には各国の言葉で作られた簡単な案内が並べてあった。50ペニヒと示さた箱が置いてあり、自由に取ることが出来る。お金をを箱に入れて日本語の案内をいただいた。

ユダヤ人の迫害については高校の頃、世界史の教科書で読んだことがある。
且つ、映画「シンドラーのリスト」を見てその凄惨さを知ることとなった。その映画はナチス政権下でのユダヤ人迫害をテーマとした作品で、当時実際に撮影された本物のフィルムが一部使用されているとのことだった。映画を見たことで機会があれば収容所に訪れたいと思っていた。
博物館の最初の展示はドイツ国家社会主義の台頭とその権力樹立の過程に関する記録文書だった。
続いてナチス政権樹立とその後の動きが拡大された写真で展示されていた。館内の案内はすべてドイツ語か英語なので写真で見る以上の理解は出来なかった。最初のその辺の展示は流す程度に見た。展示されている写真は進むにつれて悲惨なものが並べられていた。
収容所で生活を強いられている捕らえられた人々、与えられた粗末な服と重たそうな木靴、粗末な部屋、被収容者はみなやつれてやせ細った体をしていた。ある写真は首をつって自殺をしてしまった者であったり、人体実験のため頭をわられ脳みそをあばかれている者であったり、
射殺された者であったり、目を背けたくなるような記録であった。
ゴミのように扱われている本当に沢山の人々のミイラのような死体の山の写真を前に私は立ち止まり、動けなくなり涙がにじんできた。どんなにか絶望や苦しみを味わったのだろう、
なぜそんな恐ろしい時代があったのだろうと、もう決して人の人権を侵害するようなことはあってはならないと、さまざまな考えが交錯した。

途中においてあった来館帳に記念にと日本語で感想を一言書きこんだ。さらに奥の方にムービーを流している部屋があった。当時の生の悲惨なフィルムが拝見できると言う話だ。 上映時間が決まっていて、次の回は11時半でしばらく時間がある。見てみたい気もするが、時間が押していた。次の街で宿を探さなければならないこともあるので、早めに向かいたかった。そういう訳でフィルムはあきらめダッハウをたつことにした。時計を見ると10時過ぎであった。
 博物館を出たところで、向かいからやってくるカップルに頼んで写真を撮ってもらった。館内では気がひけて1枚も撮らなかったが、数々の記録は目に焼きついた。中学生ぐらいの団体が来ていたりと社会科見学の場にもなっているようだ。
ダッハウ強制収容所を出てすぐ近くのバス停のベンチに腰を下ろした。雪景色が綺麗。静かな所だった。 右手からやってきた一台の車がバス停を少し超えた所で止まり運転席から降りてきた女性が近くの自動販売機でタバコを買っていった。しばらく景色を眺めていたが、おもむろにスケッチブックを取り出してスケッチを始めた。絵を書く目でものを見ると強く印象に残るものだ。

■ダッハウ見取り図■



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